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灰色のフードを鼻の下まで被っていて、そこから上は見ることの許されない闇がフードの中へと続いていた。
服は全身真っ黒。
その口元がニヤニヤしている光景が私にはとても恐ろしく見えた。
沈黙が続く中、それを破ったのは黒い服を着たヤツだった。
「こんばんは、初めまして」
私は意味が分からぬまま口が勝手に動いていた。
「あんた誰なの?不法侵入罪で訴えるよ!」
おいおいそこかよ、と自分の言った言葉に思わず突っ込んでしまった。
「おやおや、これは失礼。随分威勢のいいお嬢さんですね」
一言一言煩わしそうに言うので、私はヤツを睨み付けた。
それを見向きもせずにヤツは喋る。
「私の名前はレノ・マカルサ。レノと呼んでもらって構いませんよ」
外国人なのか?
こいつは……。
レノは話を続ける。
「さっき電話したゲームのことについて説明します」
さっきの電話……真美子じゃなかったんだ。
にしても声はそんなに低くないし、日本語っぽい喋り方だし……。
私は今までにそんなに使ったことのない頭をフル回転させ考えていると、レノはクスッと笑いながらゲームについて説明し始めた。
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