三夜

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夢を見ていた。 そこはどこまでも暗く、暗く… 塗りつぶされたような黒の中、深々と雪が舞っている。 まるで絵本の中の1ページを抜き出したかのような幻想的な景色。 記憶に無い初めての場所。 だけど、知っている場所。 忘れてしまっていたのか… あるいは、 忘れさせられていたのか……… 何故、ここを夢に見るのか… 何故、今夢に出て来たのか…… 記憶に無い知っている場所。 幻想のように曖昧で、酷く現実的で。 夢なのに目は覚めていて、目が覚めているのに俺は夢を見ていた。  
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