三夜

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ガシガシするのも飽きてきた頃、ようやく件の看守(36)がやってきた。 「―――――――ッ!!!」 優斗「…………ん?」 聞こえたのは叫んでいることしかわからない謎の言語。 ここは既に北の国だったのか? 「―――!―――――ッ!!!」 優斗「アッハッハッ!何言ってんのかわかんねー」 割と切実な顔で何か叫んでいるみたいだが、笑うしかできない。多分笑顔は万国共通語なのだから…… ――ガシャン―― 優斗「………あれ?」 「―――――!!」 笑い続けている所に聞こえた金属がぶつかる音と、直後に浮遊感。 上を見れば看守(36)がお怒りの表情で肩を持ち上げていた。 「………―――」 優斗「だからわかんないって」 ズルズルと牢屋から引きずり出されている俺に、表情からして何かしらの宣告をしたのであろう…… だが、今だに何を言っているのかはわからなかった。
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