二夜

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瞼の裏に赤く、日光に当てられた血の色が浮かぶ。相当日光が強いのだろうか? ピッタリとした長袖の黒いシャツとズボンが急速に熱を吸収していくのを感じる。 やはり980円の安さにつられて買ったのは間違いだった……… 優斗「って、違う!そうじゃない!暑い!?」 漸く優斗の脳が覚醒し、上半身を一気に起こした。 目を開き、飛び込んで来たのは地平線。 優斗「…………鳥取砂丘…だと…?」 起きた瞬間砂丘の真ん中で一人ポツンと佇んでいた。 あの肉の廊下…もとい部屋は何処へ行ったのか、それに何故起きたらこんな所に居たのか、全くもって分からない。 知らぬ間に宇宙人に連れ去られ、変な金属を埋められて捨てられたのか、物凄い規模の壮大な夢遊病なのか、はたまた某国に拉致られたけど面倒になって途中で捨てられたのか……。 いずれにしても未だに意識がハッキリしていることからコレに夢オチなんてことは無くて、割と本気で砂丘っぽいとこで一人ぼっちなことには変わりない。 だが、こうしている間にも一つだけ、たった一つだけハッキリと分かった。 優斗「……らっきょうが…ない……だと? つまり、ここは鳥取砂丘ではないのか!?」 とりあえず、鳥取砂丘じゃないっぽい。
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