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日頃ハルヒを頭の狂った奴と
言っているが、
一番頭の狂っている奴は、
この俺なのかもしれないな……
*白と黒とあいつと俺と*
俺には好きな奴がいる。
学生生活を送っていて好きな人の一人や二人できるということくらい誰にだってあるはずだ。
しかし、今現在の俺のような素晴らしく珍しい……(むしろ希少価値といってもいい 奴は日本でどれ程いるのだろうか……。
その好きな奴とは―――――
「ん…き……くん…キョンくん!!」
「えっ!!!…あ……古泉……」
「あなたの番ですよ……、どうかしたんですか?体調が優れないとか……」
「あぁ、大丈夫だ…ただ、ぼーっとしてて……俺の番だったよな」
そう、その好きな奴とは古泉一樹。男子高校生兼超能力者。
そして、れっきとした
男、だ。
何故こんな奴を好きになってしまったのかわからない。
俺だって自分で驚いてんだ。
俺より勉強が出来て、
俺よりも女子にモテるし、
俺よりも女子にモテるし……
その無駄に整った顔を見ているとまた手が止まっていたらしく、「あなたの番ですよ」と言われてしまった。
「本当にどうしたんですか?さっきっから……もしかして涼宮さんがいないから恋しいとか?」
古泉は冗談ですよ。と付け足し、クスリと笑って見せた。
古泉、お前がかっこよすぎて見とれてたんだよ……
なんて気色の悪いセリフなんぞ言えるわけはなく古泉の言葉に返事をせず、空いているマスに黒を置き、3つ、4つ、白を黒に変えた。
春が過ぎて蒸し暑い空気が時たま来る涼しい風と共に流れてくる。
外では一体どこにいるのか全く分からないが何万とう蝉が残りの寿命を精一杯楽しむ、あるいは嘆くかのように声を響かせている。
「古泉は好きな奴とかいないのか?」
チャレンジャーな言動をしたなと自分でも驚いているが、いきなりこんな質問をした所為か古泉も少しばかり驚いた顔をしたが2秒ほどたった後、またいつものハンサムスマイルに戻った。
「随分と唐突な質問ですね…、いいでしょうお答えします」
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