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この言葉を聞いた時、一瞬心臓が跳ねた。
質問に答えるということは気になる奴がいるということになるのか………。
「しかし、その好きになるというのはどのような感情で?likeですか?それとも……love?」
さっきまでお前がどっちの意味でその言葉を受け止めるか気になったが面白そうだから後者の意味で聞いてやる。
最初から気になってたのは後者の方だがな。という言葉は心の中にだけで留めておいた。
「loveですか…、随分、貴方にしては珍しいことを聞きますね」
「俺も一応学生なんだ、人の恋愛事情も気になったりはする」
クス、そうですね、と古泉は笑う。
いい加減やめてくれ。
俺はそれだけで失神しそうになるんだ。
俺が古泉に質問をしたあたりから俺の心臓は外で鳴いてる蝉程、あるいはそれ以上に叫んでいた。
「僕の場合は…「やっぱいい」
「っ?」
「やっぱ聞かない、お前の恋愛事情を聞いたところで俺の気分が余計悪くなる」
「そうですか?やはり今日の貴方はどこかおかしいてすね」
そう言って古泉はもっと取れる所があるだろうに…という箇所に白く長い綺麗な指で白を置き、黒を2つ白に変えた。
この盤のように白が黒で埋め尽くされちまえばいいんだ。
俺の中は目に見える程に白が勝っているというのに。
end
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