デッサン2:ルル

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デッサン2:ルル

「君の名前は、ルルだ」 「…ルル?」 「うん」 ハルは、笑った。 それにつられて少女――ルルも笑う。 「僕は歌謳いなんだ。もちろん、歌を歌うんだけどね。時には既存の物語をイメージした歌とかも歌うんだ。」 そう言って、ハルは歌い出す。 その歌は、少女が花畑で愛犬と遊んでいる、明るく優しい歌だった。 澄みきった声。 ルルはそれを聴いていた。 ハルは歌い終わると、ルルに向かってどう?と聞く。 「…きれい。歌もそうだけど、ハルの歌声がとても…」 「あはは、そう言ってくれるなんて嬉しいなぁ」 「でも、僕は売れてないんだけどね」 「う…?」 「あ、そうか。ここから出たことないんだもんね。えーっと、それほど有名じゃないってことさ。この小説書いてる作者みたいに」 てめぇ出番減らすぞ(作者談) 「いまヒドイ事言ったね。」 「気のせいだよハハハ」 「とにかく、君の名前はルル。いいでしょ?」 「…うん。」 「決まりだね、よろしく、ルル!」 そう言ってハルはルルに手を差し出す。 ルルはワケがわからず、手をじっと見ていた。 「ルル、右手出して」 「?」 出した手を、握られる。 「これが握手。よろしくって意味。」 「あくしゅ…?」 「うん。」 「うん、よろしくね、ハル!」 そう言って、少女――ルルは満面の笑みで笑ったのであった。
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