0人が本棚に入れています
本棚に追加
デッサン4:歌作り
「飽きた!」
「…はい?」
突然ルルが言い出したのは、「飽きた」の一言だった。
(そりゃあ生まれて15年間絵を描き続けてたらなぁ…)
ハルは思うが、口には出さない。
「ねぇ、ハル!歌謳ってよ」
「いいけど…。飽きただけで僕の歌聴くのって失礼にも程が…」
「むー。」
「分かった、僕の負け。」
溜息を吐きながら徐に歌い出す。
それは、悲しげで、さびしげな歌だった。
ルルは目を瞑り、聞き入れる。
ハルの澄んだ歌声が、周りに響く。
「えへへ、やっぱりハルの歌好きー」
「あはは、ありがとう。」
「ぁ、ねぇねぇ!歌作らない?」
「え、歌を?誰が」
「わたしとハルで!」
突然出された彼女の案についていけない彼。
「…いいね、それ。作ろう。どんなのがいい?最初は、イメージから作っていかなきゃ」
「うーと、明るい曲がいいかな。出会った時のことを歌にするの」
「そうだね。それがいいかも」
「うん!」
「じゃ、僕は歌のメロディ考えるよ。出来たら教えるから、それにルルは歌詞つけて」
「うん^^」
こうして、2人の突発的な歌作りが始まった――
最初のコメントを投稿しよう!