星村 翼

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「楽しいこと?犬を川に流すのが楽しいことかよ?」 「げっ!聞いてたのかよ!」 「そうだよ!楽しいことだよ!文句あんのかよ!」 「大有りだクソガキ!!」 思わず怒鳴ってしまった。 小学生達は固まっている。 まあ、当然か。 「な、なんなんだよ?お前」 小学生の一人が口を開く。 少し考えて俺は言った。 「世界のためになることをする者だよ」 段ボールの中にいた犬を抱き上げて歩きだした。 一度足を止め小学生達に言う。 「お前ら早く学校行けよ。遅刻すんぞ」 5:15 はぁ、なにやってんだか俺は。 小学生達から犬を助け出して・・・これが世界のためか? クゥ~ン 腕の中にいる犬が小さく鳴く。 ・・・まぁ、いいか。どうせなにやるか決まってなかったんだ。 上着のポケットから時計を取り出す。 3:51 残り時間・・・4分か。 しゃあない、今からじゃもう何もできないからな。 残り時間全部こいつのために使ってやる。
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