星村 翼

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さて、それなら急いでこいつの家を見つけてやらなきゃな。 一番飼ってくれそうな場所は・・・ そういえば昔商店街で捨て猫飼ってたっけ。 マスコットみたいな存在になってたな。 ここから商店街まで走って3分ぐらいか。 急ごう。 3:30 「はぁはぁ・・・!」 見えてきた! よっしゃ、ラストスパート!・・・あれ? 頭がくらくらする・・・ なんか目眩が・・・うわっ! 躓いて転んだ。 体を回転させたから犬は無事だ。 でも、なんだ?この目眩・・・まさか! 上着のポケットから時計を取り出す。 0:27 「30秒・・・きってる」 ペロッ 転んだ拍子に擦りむいた頬を犬が舐めた。 ああ、商店街まであと少しなのに。しかたない。 商店街を指差し言う。 「いいか?俺が消えたらあそこに行くんだぞ?」 犬が尻尾を振っている。 はは、まったく。
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