12972人が本棚に入れています
本棚に追加
/440ページ
静磨「おはよ」
那美希「…………………」
家を出て、数十分後。
場所、学校最寄の駅、の改札口を出たところ。
学校に着くまでの僅かな安寧は、脆くも消え去った。
静磨「おい…何か言えよ。挨拶も返さないで、変な顔で俺を見んなよ」
那美希「……んで…」
何で、静磨が駅にいるのだ。
今日は連絡が何もなかったし、昨日だって何も約束していないから、優雅に車で登校するとばかり…。
静磨「いつもよりちょっと早く起きたから、電車で行くかなーと。んで、電車乗ってたとき同じ車両に那美希見つけて。満員で近寄れなかったから、改札口で待ってりゃ捕まえられるかって」
那美希「…そう……」
同じ車両にいたのか。
まあ、那美希はギリギリで飛び込んだし、満員だったのもあるが、乗ってからもずっと下を向いていたため気付くわけもなかった。
静磨「…そんな驚く?確かに何にも連絡しないで待ってたけど……」
那美希「え、あ…あは」
那美希は呆然としていただけなのだが、静磨には驚いているように見えたらしい。
最初のコメントを投稿しよう!