序章

4/34
前へ
/420ページ
次へ
和馬の触角のような二本のアホ毛がピクピクと動く。 「うるさいのが来る。」そう和馬が呟いたとき、屋上への扉が勢いよく開いき「ここに居たぁ!」という声が響いた。 「アンタ今何時だと思ってんの!」 と屋上に上がって来た少女が言った。 その言葉に淡と「13:50だな」と和馬は答えた。 「そうよ13:50よ!五限目始まってるわよ!」 「だな。」 「だな。じゃないわよ。私はアンタの世話、切嗣(キリツグ)おじさんから任されてんだから。」 「死んだ人間の言葉をまだ聞いているのか。」 和馬は怒りにも似た感情と共に放った。 「アンタ、両親のこと、どう思ってるの?」 「ただの最低な奴らだろ。」 淡と答えた。 そのときプッチーンみたい音が聞こえたような気がした。
/420ページ

最初のコメントを投稿しよう!

969人が本棚に入れています
本棚に追加