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優子(仮名)は自殺を考えていました。小さな娘と無理心中です。
優子は去年旦那さんを亡くし、身よりも無く、小さな娘を抱えての生活は思うように行かないからです。娘を保育園に預けてなんとか就職してはみましたが、借金もあるしパートの収入ではやりくりできないでいました。
娘を保育園に迎えに行き、歩きながらの帰り道に小さな踏切りがあります。
踏切りの前まで来るとランプが付いて警報が鳴りながら遮断機が降りてきました。
カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン……
優子はまだ遮断機が降りきらない下をよろよろと、まだやっと歩き出した娘と手を繋いだまま進んでいきました。
そこへ電車がやってきました。娘には何が起こってるかも分からず、ただママの手を握り締めていました。
電車がこちらに向かって来ています。
電車が警笛を鳴らしました
『パァァァァァン…』
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