1段目 憂鬱な水曜日の日常

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ふと顔を上げると、彼は肩を震わせて笑っていた。 さっきまでの健気さなんてかけらも無い、意地悪そうな、むしろ悪魔の微笑みで。 「じゃー遠慮なくそうさせてもらうね?」 「!?」 さっきまでのしおらしさはどこへ!? 今物凄ーくどす黒いオーラが見えた気がしますよ!? 「迷惑じゃないってことは公認だよな? あ、今更なかったことにはさせないから。 まさかこんな手に騙されるとはな。」 「なっ騙したの!?」 ひどい!やっぱり性悪だよ! こんな悪魔顔負けな笑みの王子様なんて聞いたことないよ! 「ほら、見事に引っ掛かった素直な妃芽子へのご褒美。 溶ける前に食いな。」 「…いただきます」 …言いたいことは山ほどあるけど、とりあえずアイスを食べてからにしよう。 食べ終わったら文句言ってやる!  
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