1段目 憂鬱な水曜日の日常

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「っと。じゃぁあたし、そろそろ帰ろうかな!」 麻緒は腕時計を見て、急ぐように立ち上がった。 「何か用事?」 麻緒も私も文化部だから、部活がない日の放課後は大抵一緒にアイスを食べて、おしゃべりしたり買い物したりしてから帰る。 約束でもあるのかな?と不思議に思っていると 「今日は妃芽子の王子様が来る日じゃない!あたしお邪魔でしょ?」 と、にんまりと含み笑いの麻緒が言う。 げっ…… 「そ、そんな恋人が来るみたいに言わないでよ!!あっちが勝手に押しかけて来るんだから!」 「いいじゃん毎回アイス買ってくれるし。それにイケメンだし♪」 そう、毎週水曜日。 ヤツは来る。欠かさずと言っていいほど。 「あの性悪さがすべてを打ち消してるの!!」 「…誰が性悪だって?」  
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