18人が本棚に入れています
本棚に追加
「っと。じゃぁあたし、そろそろ帰ろうかな!」
麻緒は腕時計を見て、急ぐように立ち上がった。
「何か用事?」
麻緒も私も文化部だから、部活がない日の放課後は大抵一緒にアイスを食べて、おしゃべりしたり買い物したりしてから帰る。
約束でもあるのかな?と不思議に思っていると
「今日は妃芽子の王子様が来る日じゃない!あたしお邪魔でしょ?」
と、にんまりと含み笑いの麻緒が言う。
げっ……
「そ、そんな恋人が来るみたいに言わないでよ!!あっちが勝手に押しかけて来るんだから!」
「いいじゃん毎回アイス買ってくれるし。それにイケメンだし♪」
そう、毎週水曜日。
ヤツは来る。欠かさずと言っていいほど。
「あの性悪さがすべてを打ち消してるの!!」
「…誰が性悪だって?」
最初のコメントを投稿しよう!