1段目 憂鬱な水曜日の日常

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ギクリ。 ↑私の心理描写には、まさにそんな古風な効果音がピッタリだった。 ――そこに立っていたのは完璧な美少年だ。 サラサラな茶色の髪 少し吊り目の綺麗な二重の眼 すらっと伸びた長い足 身体は細過ぎず、でも程よく絞まっている 服装だって制服の着崩し方からその人のセンスを感じられ、おしゃれと言えるだろう。 この一見完全無欠な男こそが私の至福の時を邪魔するヤツ、川上央志(かわかみ おうし)。 通称王子。 「まさかとは思うけど、俺の事ではないよね?妃芽子ちゃん?」 彼は外見に相応しく爽やかに、にっこりと笑う。 「………。」 いや、あなたの事です! しかも妃芽子『ちゃん』?!そんなキャラじゃないでしょー?! と思いながらも(そんな事言えず)黙って睨む。  
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