1段目 憂鬱な水曜日の日常

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彼はこうやって水曜日に必ずここに来ては、勝手に隣りに座るのだ。 まぁその後はアイスを食べながら話すくらいだけどね。 じゃあ水曜だけ行かなきゃ良いって説もあるけど、ヤツのためにお気に入りのアイスを食べにいけないなんて何か悔しい。 しばらく黙ったままでいると、彼はぱっと明るい声を出した。 「これ、妃芽子にと思って買ってきたんだけど」 「!」 そう言って、ヤツは右手に持つ2段のアイスを私の目の前に持ってきた。 よりによってさっきどれにするか迷って結局諦めたアイスが、美味しそうに並んでる…。 うぅ…食べたい…。 「チョコチップとストロベリーチーズケーキ味。妃芽子の喜ぶ顔が見たくてさ♪でも、もしかしていらなかった…?」 急に彼は子犬のように、しゅんと悲しそうな顔をして覗き込んだ。  
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