その日の昼休み

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さて、今日も昼休みがやってきてしまった 弁当箱を持って家庭科室へと行こうとしたその時   「きゃあっ!!」   水野さんが口に手を当て絶句している まさか… やっぱり…水野さんの弁当も僕の弁当同様にやられている   転校初日からこんな目に合うなんてかわいそうだ   そうだ、水野さんに家庭科室の事を教えてあげよう 「水野さ…」   声を掛けようとしたが、あまりに驚いて僕は絶句してしまった   白米の上の砂を取り、虫をつまみ出し、弁当の食べられそうな部分を食べはじめた   「キャー!何この子!?マジ気持ち悪い!!」   「うわっ、マジかよアイツ…」   教室がざわめき始めた   少しの間をあけて僕は我に返り、水野さんに声をかけた 「み、水野さん止めなよ!お腹こわすって…」   「うるさいわね!ほっといてよ!!」   水野さんに物凄く怒鳴られた   「んね…ごめんね…」   水野さんは小声で何かつぶやきながら、泣きながら弁当を食べていた
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