第一話

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「へぇ、今頃転校生?」 「いやいや、どーも転科らしいぜ」 「ふーん」 「どんな奴だろーな…」 〇畜農科へようこそ!!〇 「どーも!体育科から来た葉月 壱でーす」 「同じく体育科から来た江波 紺です」 今はHRの時間 教卓のところに並んで立って自己紹介をする2人の身長は170前後といった感じだ このすでに一年の終わりに近付いた3学期の3月に入る数日前といったくらいに2人は1年畜農科やって来た バカっぽそうなのと優等生っぽそうな、正反対といった雰囲気を醸し出す二人は、先生に指示された席へと向かう 紺は二列目の一番窓側の席になり、壱は三列目の廊下側の席になった たった6人だったクラスは今日から8人となるのだった お金持ちのお坊ちゃまが通うこの旭ヶ丘学園は、学科は全部で7つ、クラスは一学年約10クラスだが、学科によって人数に差が大きいので何やら有名らしい 例えば一クラス30人以上いるところもあれば、この畜農科みたいにたった8人のところもある 『つまんねぇ学科ばっかだから俺が面白いの作ってやるよ…畜農科をな』 そう言って昔、ここの生徒が作った畜農科 今は3年が一人に2年が二人で、一年は畜農科のクラスでは過去の人数一位二位を争うくらい人数が珍しく多いクラスだったりする 「なァー、俺木角 飛鳥。隣だし仲良くしよーぜ」 「んじゃ、飛鳥って呼んでいいか?」 「いいぜ!そのかわり、俺も壱って呼ぶからな」 「おうっ!」  さっそく隣の席にいる木角と仲良くなったらしく、騒ぐ壱 紺の方も隣の席の高野と何やら親しげに話しているみたいだ .
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