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みんなが建物から出るとナイスタイミングで木角が現れて指差し、声を上げて小走りで近寄って来た
その後ろには疲れきって死にかけの清水
「あーっ!やっと来たっ!!」
「どうやってお前は来たんだ・・」
「バス乗ってなかったよな・・」
「まさか走って・・?」
「流石馬鹿・・」
それぞれ本音がポロリと口から零れるのだが、幸い木角には聞こえてないようだ
「今までどこにいたんだ、木角?」
「あっち!」
「ソーカヨ・・」
石川は自分から聞いたのに木角が指差し言うのを軽く流してしまう
「あっちは更衣室で、その隣にあるのは農場用の教室ね」
高野が付け足すように木角が指さした方を壱達に説明してやる
「ほら次は隣の小屋に行くか」
そう言って石川が進んでいくので、あとを追ってみんな牛舎の隣に入って行く
「ここは馬がいて、白いポニーが一頭、濃い茶色の雌馬、明るい茶色の雄馬が一頭で3頭」
「馬だ!」
壱ははしゃいで1番近くにいた雌馬に近寄り瞳を輝かしている
「名前は?」
「オリコだ。ほら、触ってみたらどうだ?」
紺が尋ねると石川が近寄りながら答え、こうやって触ればいいとオリコの頬を撫でてみせる
「オリコって言うのか・・」
優しく頬を撫でたらオリコはそれに応えるように小さく鼻を鳴らし尾を振った
それを見て、紺の少し緊張した表情は崩れふんわりと微笑んだ
「可愛いな」
「だろ?」
「俺も触りたい~」
紺が触っているのを見て、羨ましそうに壱が声を上げるので木角がこっちおいでと呼び馬の名前を教えている
しばし、のほほ~んとした馬とのふれあいタイムを楽しむ一同だった
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