逃亡者

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「剛く~ん💕何見とるん?」 「うわっ、お前居たのかよっ!」 椅子に腰掛けてる剛くんに後ろから抱き付いた。 「居たのかよって…トイレに行ってただけやで?忘れんでやぁ~ 」 「忘れてねぇよ(笑)」 剛くんは何もなかったように見ていた紙をポケットにねじ込んだ。 気にはなったけど、突っ込んで雰囲気が悪くなるのは嫌だったから、気付かない振りをした。 「なぁ~剛くん♪どっか出かけようやぁ~」 「え~…やだよ…。面倒臭ぇ」 「えぇ~。せっかくこんなに天気えぇんやで?海とかぁ~公園とかぁ~…」 剛くんの前に回り込んで腰に抱き付いた。 「…岡田にはかなわねぇなぁ…」 「やったぁ~♪剛くん大好きやぁ~💕」 大喜びで立ち上がる俺を、剛くんは抱き締めた。 「ふぁっ?剛くんっ??」 「……好きだよ」 普段剛くんの口からあまり聞かない言葉が零れ落ちた。 「…うん。俺もやで」 「好きだから。ずっと好きだから…」 何だか、剛くんが遠くなった気がした。 抱き締められて、温もりを感じて、キスをされて…でも…こんなに遠く感じるのは何故? 「…プロポーズ…。何てな(笑)」 切ない瞳で、八重歯を見せて笑った。 「……///俺な、どんな形ででも…剛くんと一緒に居たいねん…。愛…してる…から…」 「ばーか…分かってるから言わなくてもいいんだよっ///」 俺の頭をグリグリ撫でて玄関に向かった。 「うんっ///」
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