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真夜中にも関わらず、村は一時騒然としていた。
何か大きいものが墜ちたような、聞き慣れない音が響いたためだ。
皆の間に緊張が走る。
だが夜中ということもあり、取り合えず男たちだけが集まって相談を始めた。
「気にはなるが、夜の森に入るのはなぁ…」
村のリーダー格であるガートが、悩みながらも言葉を発した。
「でも、何か変なモンだったらヤベーじゃん」
渋る大人たちに、レンが真っ先に反論する。
行動派な彼らしく、原因はさっさと突き止めたいらしい。
「俺はレンに賛成だ。早めに解明した方がいいと思う」
「賛成だ。行動は早い方がいいだろう」
続けて、フィルとラーファが賛同した。
二人は特に行動派という訳ではないが、得体の知れないものに警戒する気持ちが強い。
結局、押しきる形で代表が森の中を見回ることになった。
代表はフィルとラーファ。
レンは最後まで粘ったものの、二人だけの方が逆に安心だと周囲に言われてしまい諦めるしかなかったようだ。
後で機嫌を取らなければ。
そんなことを考えながら、フィルは用意されたランプを受けとる。
剣を腰に携えると、二人は村人に見送られながら森へ入って行った。
真夜中の森は静寂に満ちており、不気味な雰囲気に包まれている。
それでも、二人に臆することなく歩を進めた。
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