【羽嶺若葉】中編
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…二年前、帰宅の遅い若葉を 心配し、神社を訪れた 父が見たのは “喰い散らかされた” 娘の姿だった。 本殿から去ったであろう 足跡はなく、冷えきった若葉の 体には無数の痣と夥しい体液が。 彼女の虚ろな瞳は実の父すら 恐怖として映った。 「――――――ッッ!!!!」 抱き締める父にまで怯え、 “離せ”と暴れ、 声にならない悲鳴を上げた。 以来、若葉は 声を失くした。
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