【羽嶺若葉】中編

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奉行所に着いた若葉は 門番によって足止めをくらった。 中に入りたくとも、入れて くれようはずもない。 必死に頭を下げ、 声にならない声で 必死に懇願し、 土下座までした。 しかし門番も仕事だ。 首を縦には振らない。 見ている役人達が辛そうに 若葉を見る。 だが、通す訳にはいかない。 しばらくそんな攻防戦が続くと、 奥から一人の男が出てきた。 家臣を連れて歩くそれは、 彼方を牢に入れたその人であった。
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