【羽嶺若葉】前編

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日も暮れ始め、そろそろ 帰路につこうとしたとき。 若葉は本殿の引き戸が 僅かに開いているのに 気付いた。 ―――おかしい、先刻までは閉まっていたはず…。 恐る恐る近付き辺りを見回すも、 牡丹のような雪が積もってしまい 足跡一つありはしない。 風で開いてしまったのかと 戸を閉めようとした瞬間―‥ 中から伸びてきた腕が 若葉を捕らえた。
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