本編

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マネキンは兄の何かを掴もうとする手を下から上へ払った。 「いてぇ! こいつの腕、カチコチだぞ」 片方の手で痛めた手をさする。 「兄ちゃん、逃げよう」 弟が兄の手を引っ張る。 「そうだな」 2人はマネキンの横を通り過ぎると、一目散に逃げていく。 マネキンは何事もなかったかのようにタイヤの跡を追うため、ふたたび歩き出した。
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