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真っ赤に燃える大地に立つ2人の男の間を、焼けつくような熱風が吹き抜ける。
「……終わりだ、哀れな勇者達…。」
巨大な鬼のようなモノの周りには、溢れ出したエネルギーが渦を巻いている。
「……俺達は負けない……魔王!お前を倒して、仲間と現世に帰る!」
あちこち傷だらけになった勇者の決意に反応し、握りしめる大刀に強い光が灯る。
「……思いを力に変える、か……その奇っ怪な技でも我を倒せぬというのがまだわからんのか…!!ならば死をもって知るがよい!!」
魔王の周囲に渦を巻いていたエネルギーが、勇者に向かって収束していく。
「……お前をこっちの世界に、来させるわけにはわけには……いかないんだぁぁぁっ!!」
勇者の刀は更に輝きを強くしたが、魔王のエネルギーとの差は明白だった。
勇者にはもう避ける力は残っていないのか、目を閉じ集中し、防御の体制を整える。
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