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次第に熱を失っていくアリス。
レイはまるで魂をつなぎ止めるかの様にアリスの体を強く抱き締め、そして地に下ろした。
「……少しだけ、待っててくれよな。」
そうアリスに話し掛ける。
「…お別れはすんだか?なに、悲しむことはない。すぐに会わせてやろう!!」
魔王は先ほどよりも強力で、酷く暴力的なエネルギーを手のひらに凝縮していく。
「……俺は、アリスを、愛している……。今まで、そして失ってしまったこれから先も、ずっと……。少しの間、ほんの少し、離れるだけだ…来世でまた2人、必ず巡り逢おう…。」
ゆっくりそう呟くと、レイの右手には酷く悲しく、それでいて揺るぐことのない、大きな力が宿り輝く。
次の瞬間、魔王の体には風穴が開いていた。
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