プロローグ

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プロローグ

パァン! 矢が的を射抜く音が響いた。  「懐かしいなぁ。俺にもあんな頃あったっけ」  高校卒業を控えた鈴木櫂(かい)は弓道部の練習を眺めていた。  「あんときからもっと頑張ってりゃもっともっと上に行けたのかもな」 そう隆(たかし)は笑いながら言った。 「……」 「もう行こうぜ。クラス会に遅れるぞ」 隆はそう言って櫂の肩を叩いた。 「わかったよ」 パァン! 「よしっ!」 櫂は小さく呟いた。 真っ赤な夕日を背に櫂と隆は道場を後にして歩きだした。
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