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━━━━━何も、出てこない。何も、考えれない。
全てが真っ白だった。
自分の名前さえもわからない。
自分の身体を動かしてみる。しかし、身体中に激痛が走った。
「…ッ、痛っ……!」
それが、初めて自分の声を聞いた時だった。
どうやら、怪我をしているらしい。骨は折れていない様だが。
視界に入るモノは、蒼い空と、尖った大きな岩壁。
ここは、崖の谷底なのだろう。
そんなことを考えていたら、その意識は闇に呑み込まれた。
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