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拓朗 「やってやろうじゃねぇか。」 寺西 「その自信が、絶望に変わらなければいいけどな 。 まぁいい、ラインに並べろ。」 拓朗が車に乗ったとき、剛史と美保が寄ってきた。 剛史 「なにやってんだよ! 負けるに決まってるだろ」 美保 「そうよ! パワーじゃ負けてるし、かないっこないよ!」 拓朗 「バカだな、お前ら。 パワーウエイトレシオってのをしらねぇのか?」 美保 「ぱわーうえいとれしお?」 拓朗 「俺の車の車重は540kg、馬力は217psだ。 対して寺西は車重は1230kg、馬力はそんなにチューニングしてないようだったから、280だ。」 剛史 「パワーウエイトレシオの計算方法は、車重÷馬力だよ。」 美保 「プレオは約2.5、NSXは約4.4よ。」 剛史 「数値が低い方が馬力を有効に使えるから… そうか!」 美保 「プレオの方が若干有利ってことね!」 拓朗 「そう! …絶対に、負けねぇ…!」 剛史 「俺たちシンボルの軽自動車を貶されたんだ! ボコボコにしてこいよ!」 拓朗 「おぅ、任せとけ!!」 拓朗はスタートラインに並べた。 するとNSXは急にバックし始めた。 寺西 「150メートル&+15秒ハンデだ!!」 拓朗 「くっ…! 舐めやがって…! 俺のプレオを甘く見るとイタイ目に遭うぞ。」 するとシグナルが点灯した! ⑤… ④… ③… ②… ①… GO!! プレオはスーパーチャージャー独特の音を出しながら加速した! 拓朗 「絶対に負けねぇ!!」 15秒後、プレオが第1コーナーをクリアしたあたりでNSXがスタートした。 美保 「加速が、明らかに違う…! NSXの方が鈍く感じる!」 剛史 「だろ? これがパワーウエイトレシオの差だよ。」 マンダリンイエローのプレオは颯爽と富士の100Rを駆け抜け、早くも第2ヘアピンに差し掛かった! 寺西 「くそっ! なぜ追いつかない!!?」 拓朗 「俺のプレオに積まれてるEN07は最強のスーチャーなんだよ!!」 寺西の表情に焦りが出てきた。 そして早くもプレオはダンロップコーナーに差し掛かった。 そのころ、NSXはやっと第2ヘアピンに差し掛かったのであった。 拓郎 「この勝負、もらったぁ!」 プレオは最後の3つのコーナーをきれいにクリアし、チェッカー。 記念すべきサーキットデビューにして初勝利だ! 拓朗 「やったぁーー!! みたか、このやろー! これが軽のすごみだ!」
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