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次の日――
あの夜、拓朗は祝い酒を飲んだあと、全く記憶にないまま家で寝ていたのであった。
拓朗 「…ん…??」
拓朗はずっと鳴り響いている携帯を手に取った。
ディスプレイには、部長の2文字があった。
拓朗 「なんで部長が…??」
拓朗は大事なことに気づいた。
拓朗 「あぁぁっ!! 出勤時間遅れてる!! [ピッ] もしもし、すぐ行きます!!!」
そう言うと電話を切り、素早く着替え家を出た。
通勤のアシも、このプレオなのである。
言い忘れていたが、拓朗は小さな営業所に勤める、いわばサラリーマンだ。 給料は月24万弱。 そこそこと言ったところだろうか。
そして、美保や剛史も、この営業所に勤める。
拓朗のアホっぷりが周囲を笑わせているのだが…
拓朗 「すいません遅れました!!」
部長 「何やってんだ? もう朝礼終わったぞ!」
拓朗 「すいません、メガネがなくて前が見えなくて…」
部長 「よく車で来れたな!」
拓朗 「クルマになると別問題っすよ!」
すると、美保が拓朗の後ろを通った時に耳打ちをした。
美保 「メガネ、後ろ向きにかけてるよ。」
拓朗 「え?? あぁ…」
部長 「バカかお前は…(笑) まぁいい、さっさと仕事に取りかかれよ。」
拓朗 「あっ、はい。」
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夕方――
仕事を終えた拓朗たち3人はそれぞれの車に乗り、友人が経営するガレージに向かっていた。
拓朗 「こんちゃ~っす!!」
「おぉ、仕事お疲れさん!」
と話しているのは、拓朗とは中学校からの友達である、佐藤 涼太(さとう りょうた)だ。
美保 「今日は忙しそうね~(笑)」
涼太 「うん。 ベンツにポルシェにGT-R、スーパーカー揃いだよ…」
剛史 「大変だな~。 手伝おうか?」
涼太 「おぉ、助かるよ。」
拓朗 「よぉ~し、取りかかるぞ!」
拓朗はスーツを脱ぎ捨て、腕まくりをして涼太の横に付いた。
拓朗 「で、何したらいい?」
涼太 「あのベンツ、フルメンテナンスだから、簡単なやつをやってもらおっと。 じゃあ、オイル点検とエアーチェックをお願い!」
拓朗 「らじゃ!」
後に続いて美保は涼太の手伝い、剛史はポルシェの点検を始めた。
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