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現実-イマ-
なんとなく感じる違和感
ガタン、ガタンガタン
現実味がない
何気ない日常の中で
一人取り残された
つまらないと思い始めた頃には、既に手遅れで
それでも追いつこうと必死にもがいても、やっぱり取り残されて
時間や情報、自身を取り巻くありとあらゆる『モノ』が
電車が各駅を通り過ぎるよりも速く通り過ぎていって
何も残さず去っていって
後に残るのは電車が通り過ぎた時の静かさだけで
虚しさばかりが、心に見えない灰を積もらせた
自分の居る場所から見える叙景は、全て色褪せたまま
ガタン、ガタンガタン、ガタン
通り過ぎようとするモノの雑音で、再び辺りは賑やかになった
そして、辺りを賑やかせたソレは数秒の間雑音を纏い
大きく口を開けた漆黒の闇に力強く突進していった
何を残すわけでもなく
何かを伝えるわけでもなく
辺りは静寂に包まれる
時計の針がゆっくりと時を止める
自分を取り巻くもの全てがスローモーションの映像を見てるかのように、とてもゆっくり流れていく
自分の居場所は、今も色褪せたまま…
End
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