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「私は魔女じゃないっ!!」
「黙れ!」
「どうして……どうして、こんなこと」
「お前のような人間の皮を被った魔女がいるからな。仕方がないことだ」
「だから、私は魔女じゃない!」
母を追いかけ、たどり着いた場所には母がいた。
野次馬を掻き分けて一番前まで出ると、そこには
地面から立つ木の棒
そこに括り付けられた母
近くには松明を持った数人の兵隊
その中に兵隊は別の男がいた
「ママ……?」
俺は無意識に母を呼ぶが、母は疎か、その周りのやつらさえ気づかない
そんな中、ようやく俺の脳は今の事態を理解し始めた
止まっていた時間を取り戻すように
早送りで、全てを理解していく
「……この汚れた魔女を浄化し、この町に平和をもたらせよう」
「いや……やめて……!」
「──火を放て」
「いやぁぁぁぁぁぁぁ────!!」
ようやく、理解できたとき
全てはなくなっていた
0.Genesi FIN--
NEXT--1.mordente
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