1..Mordente

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町の北にある小さな岡 俺はそこに花をもってずっと佇む ある一点を見つめながら 「……」 数年前、俺はここで母を失った 父を失った場所は焼き払われ、今は新しい家が経ってしまっている もう、家族との繋がりはここしかない 「レーイっ」 「……イーズ」 軽くクセのついたブロンドの髪を揺らしながら俺に走り寄るイーズ 彼女は、彼女の家族は、親を魔女だと疑われ殺された俺を家に招き入れてくれた。 今は、イーズは俺を弟のように可愛がってくれて、イーズの家族も俺を本当の家族のように受け入れてくれている 幸せな、時間 でも、 ここに来る度思い出す 真っ暗な棚の中 母親の断末魔 扉の隙間から流れ込む濃い鉄の臭い 焼ける肉の臭い 苦しそうに泣き叫ぶ母 ぷつりと消えた叫び声 真っ黒な影 強烈な臭いと共に残った真っ黒な灰 忘れたくても、忘れられない 脳にこびりついた記憶 →
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