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『う…わぁ…』
――それは、この高校の入学式の日。
早く来すぎてしまったから、時間つぶしの為に…
学校を探検していた。
すると、私の目を引くとても綺麗な桜の木を発見して。
私はすぐに駆け寄った。
『綺麗だなー…』
何でだろう。
桜の木は他にもたくさんあるのに。
違う場所にぽつんと一つだけある、この桜の木に目を奪われた。
ひらひら…
桜の真下に来て、
上を見上げれば…桜の花びらが自由に空を舞っていて。
『綺麗…』
まるで花びらが私の周りだけ舞っているような錯覚に陥る。
『一人ぼっちで…
寂しくないの…?』
それは、きっと自分にかけた言葉。
『友達…増やしてあげるね』
そして私は桜の木の真下に、小さな花の種を植えた。
これでもう、寂しくないね…?
そう心の中で呟けば
『…あ…』
桜の木が、ふわりと微笑んだ気がした…
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