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『誰だったんだろう…』
入学式の次の日。
私はずっと昨日の男子生徒の事を考えていた。
やっぱ…気になる!
私は居ても立ってもいられず、再び放課後に桜の木を見に行った。
『…いる…』
あの桜の木の下。
影になってて、回り込まないとわからない場所で、
昨日の男子生徒が静かに眠っていた。
『…起きない…よね…』
ぽつり、誰に言うでもなく呟いて…
音を立てないように男子生徒に近づく。
『うわ…
カッコイイ…かも』
目の前で気持ち良さそうに寝息を立てる彼は…
とても綺麗な顔をしていた。
『何か様になるっていうか……』
桜に合ってる…?
表現がおかしい気もするけど、素直にそう思った。
そして私は…
時間が経つのも気にならなず、
彼にしばらく魅入っていた。
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