素直なキモチ3

～第二話～

『葉月ってさー
最近放課後どこ行ってるの？』

『ん、内緒ー』

…あれから一週間。

私は欠かさず桜を見に行き…

そして、必ずあの場所で眠っている彼を見ていた。

『あ…今日はいないや…』

今日は金曜日。

明日と明後日は休み。

彼にも二日会えないなー…

なんて考えながら、桜に近づく。

『…あっ』

その時に初めて気づいた。

私の植えた小さな花が芽を出していた事を。

『誰か…水でもあげてるのかな…？』

その芽が僅かに湿っていた事も…

その時に初めて気づいた。

『――まさか、ね…』

一瞬、頭に彼が浮かんだけど…

それはないな、と考えを改めた。