~第二話~

9/15
前へ
/259ページ
次へ
『名前… 知りたい…な』 何時間ここにいただろう。 辺りはもうすっかり茜色に染まってた。 『名前………ぁれ?』 桜の木に背中を預けていた私は、 いつも彼が寝ている場所の近くに… きらりと光るモノを見つけた。 『何だろ…』 少し腕を伸ばすと かしゃん、と小さな音を立ててそれは手に触れた。 そのまま掌に乗せて見てみる。 『ピアスだ…』 小さな、小さなピアス。 それは桜をモチーフにしたもので。 …どこかで見た事ある気がする。 『…どこだったかなぁ…』 不思議に思いながらも… とりあえずピアスをポケットにしまい、 暗くなる前に帰路についたのだった。
/259ページ

最初のコメントを投稿しよう!

176人が本棚に入れています
本棚に追加