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『名前…
知りたい…な』
何時間ここにいただろう。
辺りはもうすっかり茜色に染まってた。
『名前………ぁれ?』
桜の木に背中を預けていた私は、
いつも彼が寝ている場所の近くに…
きらりと光るモノを見つけた。
『何だろ…』
少し腕を伸ばすと
かしゃん、と小さな音を立ててそれは手に触れた。
そのまま掌に乗せて見てみる。
『ピアスだ…』
小さな、小さなピアス。
それは桜をモチーフにしたもので。
…どこかで見た事ある気がする。
『…どこだったかなぁ…』
不思議に思いながらも…
とりあえずピアスをポケットにしまい、
暗くなる前に帰路についたのだった。
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