~第一話~

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『…でも』 明らかに寒そうな直の格好。 私だけ暖かくなるなんて…嫌だ。 『……んじゃ、藤井が暖めてよ』 『えっ…』 どういう意味? ――そう尋ねる前に、 私の体は引力によって傾いていて。 『なっ、直…』 気づけば直の胸の中。 『…藤井…暖けぇ』 きゅ、驚く私を強く抱きしめ 肩口に顔を埋めた直が呟く。 『……(かぁぁ)』 私は顔が熱くなるのを感じながら… 小さく震える背中に両手をそっと回した。
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