~第二話~

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――ざわざわ… 『葉月ー。 次の授業、移動だってさ』 『え、ほんと?』 『遅れると先生がうるさいから、早く行こ?』 『あっ待ってよー 優奈ってば!』 ……別れを切り出されたあの日。 あの日から、智也は学校に来ない。 『辞める…のかな…』 『へ?何か言った?』 『あ、ううん… 何でもない』 私の顔… 見たくないのかな? あれから、考えがネガティブになってどうしようもなくて。 『…智也…』 授業中も、気づけば口にしている名前… …会いたい… 今、私には直がいるのに。 どうして… 私の頭には智也しかいないんだろう。 直……直…。 早く直で満たして… 直でいっぱいに…して…っ 『…葉月…』 そんな私の様子を、親友の優奈が苦渋の表情で見ていた――
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