なみだの青はしあわせの青

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「優しいひと？」

「そう。今の哀ちゃんみたいに、だれかに『ごめんなさい』って思えるひとじゃないと、涙は流せないの」

「わたしがみんなに『ごめんなさい』って思ったから？」

「そうよ。だから哀ちゃんは涙を流した。そして、その涙のきれいさで、真っ黒な穴をお掃除したの」

「もうあの穴は現われないの？」

「ううん。あの穴は、哀ちゃんが生きているかぎり、これから何度でも哀ちゃんの心に現われるわ」

「どうしたらいいの？」

「簡単よ。さっきみたいに『ごめんなさい』って思えばいいの。心の中に真っ黒がたまってきたなぁと思ったら。友達や家族や先生や自分にも『ごめんなさい』って。そしたら、心は真っ黒にはならないわ」

哀ちゃんは、黙って女の子を見ていました。