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「いいのよ、わからなくて。今はわからなくても、いつかはわかる時が来るから」
「そっか」
哀ちゃんも晴れやかに、涙の後の顔に笑顔を浮かべました。
女の子の体が、すうっと薄くなりました。
「もう時間だ」
女の子は言います。
「いなくなるの?」
「うん。あなたの他にも、真っ黒な心になってしまいそうなひとがたくさんいるから」
「みんな、しあわせの青になるといいね」
「なるといいね」
女の子はもう一度笑いました。
けれどその笑顔は、なんだか悲しそうでした。
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