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  「それはね。ここがあなたの心の中だからよ」 ふと、だれかが言いました。 哀ちゃんは驚いて、声の主を探しました。 哀ちゃんから少しだけ離れて、女の子がひとり立っていました。 どこかで見たことがあるような、どこでも見たことがないような、そんな子でした。 お隣のあゆみちゃんに似ているようにも、幼稚園のゆりな先生に似ているようにも思えました。 ふたりのどちらにも、全然似ていないような気もしました。 女の子は白いワンピースを着ていて、哀ちゃんはそれを羨ましく思いました。  
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