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「わたし、悪いことしないよ?」
「嘘よ」
女の子は、少し怒った顔になりました。
「嘘じゃないよ」
「それが嘘なのよ。哀ちゃん、あなた悪いことをしないつもりなんてないんでしょう?」
哀ちゃんはぎくりと固まりました。
心を読まれたような気分でした。
「哀ちゃんは、悪いことが大好きだものね。イタズラとかイジワルとか、そんなことが大好きなんだもんね」
真っ黒な“穴”から音が出だしました。
ゴーゴーと、うるさい音を出しています。
その音がいやで、哀ちゃんは耳を手のひらでふさぎました。
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