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  「哀ちゃん、あなた昨日、あゆみちゃんのお習字バックを隠したでしょう」 「隠してないよ!」 「今日は、ゆりな先生のエプロンのポケットに、こっそり毛虫を入れたよね」 「知らないもん!」 「明日はママにイタズラしようって考えてる」 「考えてない!」 哀ちゃんはとうとうしゃがみこみました。 いっそう耳を強く押さえて、目も閉じています。 「哀ちゃん」 女の子が言いました。 「哀ちゃんの心はね。今あの黒い穴でいっぱいになりそうになってるの。哀ちゃんの心が、全部真っ黒になっちゃうの。そんなのって、どう?」 「いや!」  
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