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「王様ゲームやる人、この指とーまれっ!」
4月下旬の暖かい日差しが差し込む部屋に、谷山 祥太(タニヤマ ショウタ)の軽快な声が響いた。
だがその声に反応をする者は一人としておらず、祥太は虚しさを覚える。
「あれー…?」
その悲痛な叫びが届いたのだろう、祥太の1番近くに座っている有野 優紀(アリノ ユウキ)が、怖ず怖ずと手を挙げた。
「…えと…じゃあ僕やろうかなぁ?」
一人じゃ可哀相だし、と続ける優紀に、ゲーム画面から顔をあげ、幸田 満希(コウダ ミツキ)は言った。
「やめとけって、優紀ー
面倒じゃん
祥太の言い出すゲームなんか、罰ゲームみたいなやつばっかなんだしさぁ」
「…そうだけど……」
優紀が困ったように微笑む。
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