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「さて、どうするか…」
ここは常闇の大穴と呼び名の付いている鍾乳窟。
その最奥でクライスは窮地に追い込まれていた。
――
出だしはよかった。
腰丈まであるナメクジや普通の5倍程度の大きさのコウモリが相手なら数斬程度脅かしてやれば向こうが逃げてくれた。
さすがに群で来られた時はどうしようかと思ったが…
様子が一変したのは、松明が切れてからだった。
一応、『夜鴉の瞳』(暗い場所でも目が効く道具)を付けていたから壁に激突することはなかったが、周りの獣にとっては一番苦手な物がなくなったということで…
勢いが数倍に増したナメクジやコウモリに加え、大ムカデ、トブネズミと数百相手にするはめになった。
逃げつつ、かじられつつ、どうにか最奥の泉まで辿り着いたクライスが見たのは…
――
「くそっ、なんで…なんでコイツがここにいるんだ!」
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