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「竜胆…お好きなのですか?」
背後からの突然の問い掛け。
クライスは、振り返らずに答える。
「はい。亡き妹が大事に育てていたのがこの花でしたので…エリシアス王女殿下。」
竜胆の花から目を離し振り返ると、可愛らしい笑顔のエリスが立っていた。
逆戻る事、半刻。
クライスは、戦術教官との訓練を終わらせて、城内の庭園で日課のひなたぼっこを満喫していた。
「はぁ、やれやれだ…これだから理不尽上官の下に就くの嫌だっつったのに……」
一人愚痴る。
「ぶーぶー言ったとこで何も変わりゃしない…んだがね……………」
愚痴り疲れたのか、ただ眠気が勝ったのか、クライスは夢の世界に足を踏み出そうとしていた。
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