第1楽章 ~出会~

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  ~閑話~ リア・エス・エクセリオン。 クライスが溺愛していた1つ下の妹。 2年前、封呪を破り街を襲った2つ首の蛇の怪物。 怪物の脅威は留まる事を知らず、街1つを壊滅寸前まで追い込んだ。 バルクス共和国の魔封隊とフェリア王立騎士団の連携によって、どうにか再封印が施されたが失った民の命まではどうすることもできなかった。 クライスも騎士団の一員として街に来ていた。 当時、見習ですらなかったが生まれ育った街を守りたい気持ちに依る志願だった。 そして、何よりも護りたかったモノを護る事が出来なかったという絶望ともいえる現実に直面する。 リアは、心の優しい娘だった。 逃げ遅れ、泣く事しか出来なくなってしまった子供をほっとく事など出来はしなかった。 怪物に見つかり、一方的な死を約束されてしまった子供を庇い、無惨にも遠くへ旅立って行ってしまった。 事実を知ったクライスは、もはや妹とは分からなくなってしまった亡き骸を抱き寄せ三日三晩泣き続けたという。  
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